バスターのバラード
2018年に、アメリカ合衆国で製作されたコーエン兄弟監督の映画です。
元は、テレビ放送になる予定の6つのパートからなるドラマでしたが、いっきに見れるように脚本をてこいれしました。
映画として、ネットフリックスでストリーミング配信されています。
第75回ヴェネツィア国際映画祭脚本賞受賞の作品です。
コーエン兄弟監督の映画は、あまり見ていないのです。しかし今作品はすごく面白いですし、作品として心に残ります。
映画の中の1話だけ見ても、それほどかなと思いますが全部見終わった後に、この作品の面白さが倍増します。
まず1話目の「バスターのバラード」です。西部劇の無法者を主人公に、陽気で派手めの衣装で登場のバスターですが次から次へと出てくる敵を見事な銃さばきとトリッキーな技で倒していきます。ところがどっこいです。
2話は「アルゴドネス付近」で、若いカウボーイが草原にぽつんとある銀行に強盗に入る。1人で店番をする初老の店員を脅して銃を向けるが、あっけなく罠に落ち縛り首の状態で目が覚める。突然コマンチ族の騎馬隊が、襲いかかり保安官は殺されてしまい、なぜかカウボーイには手を出さなかった。家畜商人に助けられるが、またしも絞首刑の罠に落ちる。
3話は「食事券」です。年老いた男と、四肢が欠損しているが聖書や古典文学などの朗読を暗唱できる青年とでワゴン車で町を興行して回る。だが色々な町を回る内に売上はだんだん減っていく。
4話は、「金の谷」です。山にこもり1人で金の採取をしている初老の男が、金塊を掘り当てた話です。
5話は、「早とちりの娘」です。キャラバンでオレゴンに向かって旅をする兄弟ですが、兄のほうがコレラで死亡してしまう。妹はキャラバンでの旅費や、着いた先での計画が崩れてしまい困ってしまう。キャラバンの護衛の男に、面倒をみてもらうことになるが。
6話は、この映画の最終話の「遺骸」です。
馬車に向かい合わせで、5人の男女が乗っています。行き先は、とあるホテルです。
雑談をしながら向かっています。不思議な事に馬車の天井に遺体を積んで走っています。そしてこの話の中では誰も死にません。たぶん乗客に生きている人はいないという事なのでしょう。前の5話では、1人以上が死んでいました。
口ひげとあごひげの馬車に乗っていた男が、この映画全体の死へのエスコート係だろうなと思います。